エコキュートに関する私の個人的理解(原発推進の補完制度としてのオール電化の根幹設備)

  • 2013.11.23 Saturday
  • 15:12
 昨日、建築・土木の情報サイト「ケンプラッツ」で、高崎市のエコキュートに関する裁判(前橋地裁高崎支部)の結果を知る事が出来た。この訴訟に関して、その存在を知った一昨年前に当ブログに記事を書いたが、今回の和解に関しては、当方が運営している「ナチュロジーハウスビルダーネットワーク」のサイトのコラム欄に、感想を以前の記事と共に掲載している。先ずは、下記リンクにて御確認頂きたい。低周波被害に関して認められた事は良い事だと思っている。
 
   
 今回の当ブログでは、上記が任意団体の公式サイト故、コラムで書く事の出来なかった、エコキュートに関する、筆者の個人的見解を述べる。訴訟結果とは直接的関連は無いが、エコキュートそのものに対する考えを知って頂く事は有意であると判断した。
 予め、筆者がエコキュートそのものを否定しているわけで無い事を述べておく。住宅用設備機器とは採用に関して、住宅の諸条件を考量して、適材適所に使い分ける事が必要であり、その為のアイテムの一つとしてエコキュートが存在しており、実際に、筆者自身がエコキュートを採用する事もしばしばある。また、現在の電気料金の構成においては、ユーザーに経済的メリットを提供する設備であるとも認識している。


 先ずは、エコキュートと称されているが本当にエコなのか? この設備は、ヒートポンプ(空気熱交換)と蓄熱(貯湯)を用いており、一般的な空調機と同様の熱交換を採用している。そして電気によって稼働する。以前の電熱(ヒーター)式に比べ省エネ効果は飛躍的に上昇しているが、そもそも、熱エネルギーを得る為に電気を使用する事が、非常に低効率である事は周知の事実である。
 基本的に熱エネルギーを電気に変換する際の効率は30%程度とされている(ガスコンパインド等はより高効率な技術革新が成されているが…)。その上、ヒートポンプは外気温が下がれば、熱交換効率が極端に低下する。その場合にエコキュートでは電熱(ヒーター)が稼働している。

 主に火力(お湯を沸かす)で得た熱エネルギーを電気に変換し、送電ロスを伴って配電されたその電気で再びお湯を沸かす事に対して、環境負荷の面からは、膨大なロスから、非効率的であると理解している。実質的に得られたお湯に対して本当のCo2排出量は大量である事を予想する。

 多くのユーザーが、このエコキュートを受け入れた背景には、深夜の余剰電力を活用する経済的メリットを求めたものである。コスト軽減が直接的にエコであると信じているユーザーが多数存在している事に、正直な所、不信を感じている。

 この経済的メリットの根幹は、深夜の余剰電力の低コスト活用である。これを可能にしているのが貯湯と言う蓄熱技術である。この低価格深夜電力の活用は「オール電化」の名称で有名な個別契約制度であるが、この制度の本来目的は、水力と共に発電量のコントロールが不可能な、原子力発電に伴って発生する深夜の余剰電力を、有効活用(儲けへの変換)する事である。
 電力会社は、この「オール電化」をもって、深夜余剰電力を換金すると共に、それまで家庭における熱エネルギーの主となっていたガスや灯油等の他エネルギー需要を取り込み、一般家庭用エネルギーの占有する事を目的としていた筈であり、原発事故以前の方針であった、原発比率の拡大には欠かせない戦略であったと想像する。つまりはこのオール電化とは原子力発電体制を補完する制度であり、エコキュートはIHヒーターと共に、このオール電化を成立させる為の根幹的技術・商品であった。

 現時点において、幾許かの経済的メリットを有しているエコキュートであるが、今日現在、全ての原発が停止している状況で、今後も深夜電力活用メリットが提供されるとは考えにくい。実際には、事故後、既に電気料金値上げでそのメリットは縮小している。また、今後もオール電化が存在し続ける事は、原発の再稼働及び新設を目論んでいる証拠であると睨んでいる。

 先の不透明な経済的メリットを望まずに、加えて本当にエコな給湯を考えるのであれば、太陽熱利用の給湯システムの方が妥当と考えるが、少し前に、この分野でも「いたたまれない」状況に直面した。
 この給湯システムは、冬期等の太陽熱が不足する場合には、ガスや電気を補助的に使用する構造になっている。そして、その蓄熱量の過小容量に疑問を抱いていた筆者は、とあるメーカーに、案件での採用をほのめかしながら、その容量について詰問した所、最終的にはガス会社の意向である事を吐露した。つまりは、補助的にガス給湯器を設置する以上は、必ずガス料金が発生するように蓄熱容量に関して、ガス会社が制限を求めていたと言うのである。この件に関する真実を確認する事は出来ないが、太陽熱利用の給湯ユニットは各メーカーとも90Lに画一されている。そして、その事を質問すると各メーカー共、これまた画一的に「この大きさが最も効率的なサイズです。」と即答してくる。一切の根拠を示さずに・・・。
 ちなみに、不確実ではあるが、当方で考察した結果によると140L程度の容量を確保すれば、冬期でも、晴天であれば、浴室を含む給湯と主要箇所の暖房が可能との結果が出た。

 最後は、些か話がそれたが、エコキュートにしろ、太陽熱給湯にしろ、大手インフラ企業が存在すれば、本来のエコ目的を蔑ろにして、我が利益を確保する為に、幾許かの効用を指して「エコ」の言葉を最大限に利用する姿が想像出来る。そして、各設備メーカーがそれに追随している。
 エコキュートとは所詮その程度のものであるにも関わらず、周辺の人に深刻な健康被害を与える可能性を持つ「低周波」を発生する設備。これが私のエコキュートに対する個人的見解である。
 
 
コメント
エコキュートについて、詳しく知ることが出来て、ありがたいです。
広くお知らせしたいと思いますので、拙HPより、リンクさせていただきました。
事後報告で申しわけありませんが、ご了承いただきますようお願いします。
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